薬草のまち・奈良県宇陀市で生まれたクラフトコーラ「帰楽可楽（きらくコーラ）」のルーツ
薬草文化が息づく奈良県宇陀市。
地域と薬草のつながりの中に「帰楽可楽」は誕生しました。
この記事では、帰楽可楽のルーツについてご紹介いたします。
宇陀と薬草のつながり
奈良県宇陀市は「薬草のまち」と呼ばれています。
なぜ「薬草」なのか？
宇陀市と薬草の関係について紐解いていきます。
1.歴史
宇陀は、日本書紀において、西暦611年に日本初の宮中行事「薬猟（くすりがり）」が行われた場所として記録されています。近代においても大手製薬メーカーのロート製薬やツムラなどの創業者を輩出してきたほか、日本最古の私設薬草園「森野旧薬園」や薬問屋であった細川家跡の「薬の館」も残されており、宇陀市と薬草の間では強固な結びつきがありました。現在では全国の薬草ファンが訪れる隠れた人気スポットとなっています。
2.環境
宇陀市が位置するのは標高が200〜1000mほどある高原地帯で、大和高原エリアと呼ばれています。このエリアの気候は年間を通じて冷涼であり、土壌は排水が良く耕土の深いやややせた地であることから、トウキやシャクヤクといった薬草の栽培に適した環境となっております。
3.大和当帰
かつて奈良県は「大和物（やまともの）」と呼ばれる品質の良い薬用作物のブランド産地であり、その代表格となっていたのが「大和当帰（やまととうき）」でした。大和当帰はセリ科の多年草で、奈良県を中心に古くから栽培されてきた薬草です。現代においても冷え性用の薬、保健強壮薬、精神神経用薬などの漢方薬の原料として配合されています。薬用として使用されない葉の部分は廃棄されてきましたが、葉にもビタミンやミネラルなど様々な栄養成分が豊富にふくまれていることがわかり、近年注目される食材となっております。
薬草のまち宇陀市においても大和当帰の栽培が行われており、地元行政が立ち上げた薬草協議会を中心に、まちを挙げてその活用が取り組まれております。
薬草のまちで生まれた「楽」
「病気の治療や予防に用いられるというだけでなく、薬草をもっと楽しめないか？」
日本には、古代中国の思想に由来する「医食同源」という言葉があります。この言葉は「病気の治療に用いる薬と日々の食事は、生命を養い健康を保つという点で本質的に同じ役割を果たす」という意味を持っています。医食同源の考え方を参考に、薬草を病気の治療手段としてだけでなく、日常の食生活を楽しく彩る存在にしたい。
宇陀市において地域づくりに取り組む２０－３０代の私たちはそのように考えました。
「コーラと同じ歩みをたどる」
薬草を楽しむためのものとして、私たちは「コーラ」に着目しました。
嗜好品としてのイメージが強いコーラですが、そのルーツは1886年に薬剤師のジョン・S・ペンバートン博士によって開発された「コカ・コーラ」に遡ります。当時は薬局で販売されていたものが今では世界中で日常的に親しまれている...
私たちも薬草とともにコーラと同じ歩みをたどり、人々のココロとカラダに「楽」を届けていきたいと考えています。
「カッコいい人、カッコいいコーラ」
帰楽可楽の開発にあたり、築300年の古民家オーベルジュ「うだ薬湯の宿 やたきや」のシェフや無農薬農園「宇陀まほろば薬菜園」の薬草ソムリエ・農業家の方々の力をお借りしました。数十世帯に満たない過疎地において、尖ったプロジェクトの中心となる職人的でカッコいい人たちが集まり、クラフトコーラ「帰楽可楽〈きらくコーラ〉」が誕生しました。
関連する薬草プロジェクト
うだ薬湯の宿 やたきや
奈良の里山にたたずむ、築300年の古民家宿です。
大和当帰を使った料理、薬湯で安らぎの時間を提供しています。
その世界観は帰楽可楽の着想元にもなっています。
公式HP：https://yatakiya.jp/
公式Instagram：https://www.instagram.com/yatakiya/
宇陀まほろば薬菜園
大和当帰や伝統野菜を無農薬で栽培し、
商品開発や体験イベントの開催でその魅力を発信しています。
一つ一つ丁寧に育まれた大和当帰葉が帰楽可楽に使用されています。
公式HP：https://natsumira.base.shop/
公式Instagram：https://www.instagram.com/uda_mahoroba/
〈参考文献〉
◇宇陀市 「薬草のまちを目指して」（2024.11.25）
◇宇陀市 うだ記紀・万葉 「推古天皇の薬猟」（2024.11.25）
◇奈良県 「薬草「ヤマトトウキ」」（2024.11.25）
◇一般社団法人 大和ハーブ協会 「大和当帰リーフレット」（2024.11.25）
〈”薬猟”の画像について〉
この度、宇陀と薬草のつながりについて解説するあたって、星薬科大学より特別に画像をご提供いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。